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みちのく潮風トレイル

海のアルプス 北山崎
海抜200m級の大断崖が続く、海のアルプスこと北山崎。
なかなかの標高差、急登、急坂であるが海のアルプスと呼ばれることだけはある。
洞窟の先に見える景色は、どこか異国のフィールドを歩いているような気分になる。
陸路も、海路も。
一つの目指される場所だと再認識する。
しかし、海抜0mで仕事をするシーカヤックガイドにこの標高差はきつい(笑)。

2018.3 吉浜集落
「前方約二百米突吉浜
川河口ニアリタル石ナル
カ昭和八年三月三日の津
波に際シ打上ゲラレ
タルモノナリ」
重量八千貫
天災の記録が各地に刻まれていた。
奇跡の集落・吉浜。
トレイルが通っていなければ、きっと訪れることはなかっであろう場所。
歩いてよかった。
胸に染みる景色がいくつもあった。

八戸 種差海岸
6月下旬ごろからニッコウキスゲ、ノハナショウブなどが咲き乱れ、少し遅れてスカシユリが咲き、一気に色づくみちのく潮風トレイル・八戸区間。
花の渚とも呼ばれ、年間を通しておおよそ650種類ほどの花が咲き乱れる。
誰に言われるもなく、その時期になれば、勝手に。
トレイルヘッド・エンドである鮫・蕪島はウミネコたちで賑わい(8月中頃から2月中頃までは旅に出ています)、中須賀では花々が咲き乱れ、大須賀では鳴き砂、種差天然芝生地では壮大な芝生地。
10キロほどの区間に濃縮された変化ある景色。
特に6~9月ごろまでの種差海岸は爽快だ。

階上町~洋野町
あれ、鳥居が手前じゃなくて奥側にある?なんて思っていたら、
人ではなくて海から龍神様を迎えるための鳥居だそうだ。
昔の人たちは、心がきれいだったんだろう。
今、そんなことをしたら笑われてしまうんじゃないだろうか。
たこ神社、赤石のウタ、その他いろいろ、昔からの人と海との繋がりを垣間見れる伝説が多く残っている。
見どころというのは少ない区間かもしれないが、人と自然の繋がりを感じられる奥深いエリアだ。

昭和三陸大津波の碑
三陸沿岸各地で見るこの石碑。
”日本における近代的研究体制が整って初めての津波であったため、津波に関する数多くの研究調査が行われるとともに、
その成果に基づいて被害町村の復興計画が立てられ、多くの集落で復興が事業が実施され、三陸沿岸における津波防災の骨格が作られた。”
それが、昭和8年のことだそうだ。
三陸では30年に一度ほどの感覚で大きな地震が起こっている。
今作られたのは巨大な防潮堤。
日がたつごとに三陸の海岸線は姿を変えていく。
地震による被害をさほど受けていない私がいえることではないが。
海辺の町に住んでいながら、海との距離が遠ざかる現状が寂しい。